不動産小ネタ集<その3> 不動産売買契約書と実印Real Estate Menu
ブログ2019.10.25
不動産売買契約書に「実印」は不要
ごくたまに、契約書に実印を押すことを求める不動産会社がありますが、
契約書の捺印に使用する印鑑に実印は必要ありません!
100均ショップで買った三文判でも差し支えありません。
もちろん、大切な契約書なので見映えや気持ちを込めて実印を
使用されたいというのであれば、それはそれで良いと思います。
不動産売買時に実印が必要な場面は、下記のケースのみです。
●売主・・・所有権移転登記の際、司法書士に提出する委任状への捺印
●買主・・・住宅ローンを借り入れる際の金銭消費貸借契約書への捺印
ちなみに余談ですが・・・
世の中に存在するほとんどの実印には、アタリが付いていません。
アタリとは・・・
印鑑の上下を記す「しるし」のことです。
削ってくぼみを付けたり、突起物が付いてたり、シールが貼ってあったりします。
宝石や水晶、スワロフスキーなどがアタリの素材として使ったりもするそうです。
このアタリがあればいちいち印面を覗かなくても、
スムーズに捺印することができて便利ですよね。
なぜ実印にアタリが付いていないのか?
それは!
実印を捺印する書類が、人生を左右するような
重要な契約書等であることが多いからです。
例えば、金融機関から借り入れを行う、法人を設立する、
公証証書を作成する、遺産相続の際などなどです。
実印にアタリを付けないのは、これらの重要な場面での捺印の際に、
「後々後悔することのないよう慎重に捺印してもらいたい」
という印鑑を作る方々の想いがあるからです。
アタリが無いことによって印面の上下を確認しなければなりません。
その際、一呼吸置いて目の前の契約の内容を再考する機会を設けているのです。
それほど、実印を使用するということは重要なことです。ですから、実印が
必要でない書類に実印を押させようとする相手を私は個人的に信用しません。
常識のある方だと当たり前だと苦笑いしちゃいそうな話ですが、
世の中簡単に実印を押させようとする人が実際時々いるんですよ…('A`)
実話ですが、私が以前勤めていた会社で、契約者に実印が必要であると
説明していて驚いたことがあります。
この職場が非常識なのか、私が認識不足なのか、不動産業界の慣習なのか、
この業界に入って初めて勤めた会社だったので、困惑しちゃいましたよ(笑
理由を聞くと、いずれにせよ売買物件の引渡し時に実印が必要になるから、
実印をちゃんと持っているかチェックの意味を込めているとのこと。
それであれば、実印が必要な書類についてちゃんと説明すれば済むことなのでは?
何だかなぁ・・・
以上参考になればと存じます…(^.^)ノ